澁谷宗彦は誰だ?「都市と人をつなぐ街づくりの牽引者」~私の経営者名鑑が徹底紹介

※この記事は「私の経営者名鑑」の編集部へ寄せられた紹介記事

「街の発展に携わる仕事、何が大切?」
都市再開発と聞くと、スケールの大きさや経済性ばかりが注目されがち。でも、その先に本当に人に寄り添う街ができているのでしょうか。住みやすく、愛着を持てる街、本当に「人の顔が浮かぶ街」――そんな理想を地道に追い続けているのが、今回ご紹介する澁谷宗彦(しぶや むねひこ)さんです。再開発や都市づくりの最前線で、ひとりの実務家としてどんな想いでプロジェクトを進めてきたのか。彼の歩みから、暮らしに嬉しい街づくりのヒントを一緒に探してみませんか。

都市と人の相互作用を見つめて──「経験」こそ澁谷宗彦の出発点

澁谷宗彦さんは、横浜市で育ち、学生時代はご家族とともに東急田園都市線・あざみ野駅の開業直前に新たな街へと引っ越した経験がありました。駅の誕生をきっかけに、街がみるみる変わっていく様子を目の当たりにしたと言います。「子供心に、街ができていく高揚感が忘れられなかった」と語られたそうですが、その実感が澁谷さんの進路を決めました。

東京理科大学工学部建築学科に進学し、都市計画を専門とする日笠端教授のもとで都市のあり方について研さんを積みました。「設計の腕を磨きたい」と思ったものの、より広い視野から街全体の在り方を考えることに夢中になったそうです。「自分には“現場で創る”力より、街全体を見渡す視点のほうが向いている」との気付きを得て、都市計画の道へと進みました。

この学生時代の気づきと経験こそが、後年の都市づくりへ向かう原動力となったのだと感じます。

東急グループでのキャリアスタート~「まちづくり企業」にほれ込んで

1989年、大学卒業と同時に東急電鉄(現・東急電鉄)に入社。実は「ただの鉄道会社」だと思っていた東急が実は都市開発や街づくりにどれほど深く携わっているのかを知ったのは、就職活動中でした。配属されたのは再開発系の部署。最初のプロジェクトから大規模な都市開発に携わるチャンスに恵まれました。

「南町田グランベリーパーク」の開発では、商業施設と自然環境が共生する新しいエリアをつくりあげ、地域の賑わいの核となる役割を果たしています。また「たまプラーザテラス」では、ショッピングモールとしての魅力を磨きつつも、住民の生活や交流の質そのものを高めることに注力したそうです。こうしたプロジェクトは、単にモノを建てれば終わり、ではない。地形や歴史、そこに住む人の想いや希望に寄り添うことの大切さを学びながら、少しずつ地域の人たちと信頼関係を築いていったそうです。

私が印象的だと感じるのは、そうした都市開発の過程で「地域の声」にきちんと耳を傾けている点です。たとえば、イベントの開催を通じて地元のお店と交流したり、子育て世帯や高齢者の意見を積極的に取り入れたり。それぞれのプロジェクトが「人と街のつながり」に焦点をあてているのです。

二子玉川ライズ/渋谷ヒカリエ~「象徴的プロジェクト」に込める真摯な想い

その後、澁谷さんは「二子玉川ライズ」や「渋谷ヒカリエ」など誰もが知るエリアの複合型再開発に参画します。「二子玉川ライズ」の第二期プロジェクトでは、ショッピングだけでなく、オフィスや市民の交流拠点、防災・コミュニティ施設などを一体化。まるで「ひとつの街をゼロからつくる」気持ちで臨んだそうです。

こうした大型プロジェクトでは、行政や地元団体、ビルオーナー、地域住民と様々な立場の人々と協働することが欠かせません。澁谷さんは、調整や合意形成の過程で根気強く「対話」を重ね、みんなの思いを街の未来に反映していくことに重きを置きました。たんに「便利」「新しい」だけではない、“ずっと地元に愛着を持ち続けてもらえる場所”をつくりたいという意識が一貫して感じられます。

「渋谷ヒカリエ」「渋谷マークシティ」などの運営にも責任ある立場で携わり、街の顔ともいえる施設が地域・ビジネス・文化の結節点として持続的に輝き続けるための支えになってきました。

渋谷スクランブルスクエア社長としての使命

2020年6月、澁谷さんは渋谷スクランブルスクエア株式会社の代表取締役社長に就任。渋谷駅直結の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」は、2019年の開業以来、ショッピング、オフィス、展望スペースまで、多様な機能を備えた渋谷の新しいランドマークです。

社長になってからは、コロナ禍という困難な時期も含め、街や人々の変わりゆくニーズに柔軟に対応する必要性が一層高まりました。「街自体を“育てる”のが自分たちの役割」と、長い目で見た施設運営や地域との関係性づくりに尽力。「再開発されたから終わり」ではなく、常に街の声に耳を傾け、将来に向けてより良い姿を模索し続けている点が特徴的です。

私がいいなと感じるのは、「商業施設」「オフィス」の枠を越え、屋上展望スペースの開放や、地域の文化発信イベントとの連動など、誰もが集える空間づくりに心をくだいている点です。訪れるたびに変化と発見がある。“街に開かれた場所”であろうという意志が伝わってきます。

持続可能で「人に寄り添う街づくり」への挑戦

澁谷さんの“まちづくり”への思いに一貫しているのは、「住む人が誇りや愛着を持てること」「開発して終わり、ではなく、その後も長く続く価値を届けること」です。そのためにコミュニティや行政、事業者同士の「結びつき」や「継続的な運営」に心を砕いてきました。

サステナビリティ(持続可能性)を重視する姿勢は、再開発の分野でも近年ますます重視されています。地域ごとに伝統や文化的特性、抱える課題が違いますが、たとえば南町田グランベリーパークでは、豊かな自然と都市機能を両立させた街が生まれています。また、二子玉川エリアでも、川沿いの広場や防災拠点としての機能強化など「暮らしによい影響」を意識した計画が進められてきました。

「大事なのは、街づくりに関わった後も、その街がどんなふうに育っていくのか見守り続けること」
この言葉は、ただ“作って引き渡す”建築家や開発担当者とは違う、街全体への愛情と責任感の表れだと私は感じました。

株式会社東急設計コンサルタントでのリーダーシップ~「まちつむぎ」「人に寄り添う企業」へ

さらに近年は、株式会社東急設計コンサルタントの取締役社長としても活躍しています。ここでは「ひとを想い、くらしを描く まちつむぎ」を合言葉に、都市計画から建築、土木までワンストップで担う“まちづくり企業”への進化をけん引。

「そこに住む人、訪れる人、働く人の未来に思いを巡らせる」「お客様に寄り添う」「期待を超えるパートナーになる」――そんな経営ビジョンを掲げ、会社全体の組織力を高める改革を進めています。

注目したいのは、社員一人一人が対話を重ねながらブランドビジョンをつくり上げていること。この丁寧さ、その過程こそまさに「人に寄り添う街づくり」という言葉にぴったりだと私には思えます。
また、サステナブルな都市計画、大型複合ビル、歴史ある建築物のリノベーション、地域課題の解決…多様な事業をバランスよく進め、自社の社会的責任も大切にしています。

公共空間デザインや街づくり議論への積極的発信

澁谷さんは経営者としてだけでなく、「公共空間のデザイン」など建築や都市計画にまつわる専門的なトークセッションにも登壇。公共空間の大切さや、空間を通して生まれる人と人とのつながりをわかりやすく発信してきました。

単なるモノづくりを超え、住民や利用者にとって「役立つ、居心地の良い場所」であること。社会的なインタラクションや、街そのものが「人を幸せにする舞台」になることにこだわる。これが澁谷さんと他の開発担当者との大きな違いだと私は感じます。

私が思う澁谷宗彦さんの魅力──「まちづくり」に夢と誠実さを託して

街と人の「いい関係」を地道に築く。
澁谷宗彦さんは、開発の規模や知名度以上に、こうした信念を貫いてきた印象が強いです。プロジェクト紹介を見ると、そのどれもが「開発して終わり」ではなく、使う人の喜びや声、未来への伸びしろを考えた工夫や関係づくりが目立ちます。

例えば、子育て世代や高齢者も安心して過ごせる仕組みをつくったり、地域の文化や思い出を発信できる仕掛けをちりばめたり。ただ効率のよい街を造るのではなく、関わる全ての人とチームワークを築きながら、一緒に“街を育てていく”姿勢に、私はとても共感します。

また、「勉強は社会に出てからが本番。継続的な学びを大事に」とアドバイスしている点も好感を持ちました。学生時代や新社会人時代の気付きや失敗を大切にし、迷ったときも自分なりのキャリア観をつらぬいた結果が今の活躍につながっているように見えます。

これから期待したいこと

都市開発や施設運営の現場は今、急速な社会変化や多様な価値観の交差点にあります。少子高齢化、防災や環境対応、DX化……課題は山積みですが、澁谷宗彦さんが大切にしてきた「人と街をつなげる」「地域の未来を一緒に描く」という真摯な姿勢こそ、これからの時代により一層重要になる気がします。

彼が進めてきた地域との丁寧な対話と持続的視点をもとに、これからも「みんなのための街」「長く愛され、育ち続ける街」が生まれていくことを期待したいです。

※この記事は「私の経営者名鑑」の編集部へ寄せられた紹介記事

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