※この記事は「私の経営者名鑑」の編集部へ寄せられた紹介記事です。
「建設会社の社長」と聞いて、どんな人物像を思い浮かべますか?巨大なプロジェクトの指揮官?現場から遠い、経営の椅子に座ったベテラン?
時代の変化が加速する中で、老舗建設会社も変化を求められています。
「もっと柔軟な経営が必要なのでは?」「現場を知るリーダーでなければ、変化に対応できないのでは?」
こうした疑問や悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、創業150周年を迎えた西松建設の新トップ、細川雅一氏の人物像・経験・考え方に迫ります。
古くからの伝統と新しい発想のバランスをどう取り、組織を引っ張るのか。その答えを探ります。
現場経験を武器に指揮を執る――社長になるまでの歩み
西松建設株式会社。
誰もが知るような超大手ではなく、「準大手」と呼ばれる建設会社ですが、トンネル・ダムから都市再開発まで、国内外で数々のプロジェクトに携わってきた会社です。
その西松建設で2024年6月に代表取締役社長に就任したのが細川雅一さんです。
私自身、西松建設という名前はテレビの工事ニュースや、高速道路の出口看板でよく見かける印象でしたが、そのトップがどんな方なのかは正直気にしたことがありませんでした。
調べていくうちに、とても興味深い経歴と考え方を持っている方だと感じています。
細川さんは1987年に西松建設へ入社後、最初はまさに現場主義のキャリアを歩まれています。
ダム建設や高速道路の工事――まさに日本のインフラ整備の最前線で汗を流す現場を数多く経験。その後、本社の企画部門や新規事業部門へと活躍の場を広げていきました。
2011年には西日本支社の土木部長として管理職に就き、2014年には経営企画部長、2019年には新規事業統括部長などを歴任。2021年以降は環境・エネルギー部門の責任者としても活躍されています。
2024年4月に副社長になり、同年6月には社長へと昇格。入社から約37年、現場から管理、企画、そして経営までの幅広い力を積み重ねてきた方です。
「現場に強い」というだけではなく、企業全体の舵取りまで任される、まさに西松建設の成長を支え続けてきた一人と言えそうです。
老舗企業の新しい顔――時代に合わせた「筋肉質」な会社づくり
2024年は、西松建設創業150年という大きな節目の年。
「伝統を守る」だけではこれからの厳しい建設業界を生き抜けません。
細川社長は「筋肉質な会社への進化」を掲げ、効率よく、たくましく、しなやかな組織を目指すと年頭の訓示で語っています。
一見「筋肉質な会社?」と戸惑う言葉ですが、無駄を極力減らし、強い現場力と柔軟な経営判断力の両立を目指す――という意味なのだそうです。
建設現場も変化しています。例えば
- 社員の働き方改革(長時間労働の是正)
- デジタル技術やAIの導入
- 女性や若手の活躍推進
- 環境や地域への配慮
など、従来の人海戦術一辺倒から、大きく舵を切っています。
現場での労働環境を改善し、仕事のやり方を見直す。
社員一人一人が能力を発揮できる「組織の体質改善」が重点課題となっているのです。
私自身、こうした取り組みは企業の競争力にもつながると感じますし、社長自ら「現場」出身であることが、多くの社員の気持ちに響くのではないかと思います。
西松建設の企業風土と挑戦:現場×経営×社会課題
細川社長が特に注力しているのが、「地域環境ソリューション事業」と「サステナビリティ経営」です。
例えば、土木工事や建築だけでなく、地域社会や環境への配慮――
「地域のインフラをどう安全に保つか」「防災や自然災害への備え」「温暖化対策や省エネ建築」など、多様な社会課題に取り組んでいます。
近年ではBIM(建物情報のコンピュータ管理技術)やZEB(省エネビル)、アセットバリューアッド(資産価値向上)など、新しい建設技術もどんどん導入中。「古くて新しい会社」という表現がぴったりかもしれません。
特に、近年の西松建設は官公庁や自治体からの受注に加え、都市再開発や再生可能エネルギー事業などにも挑戦しています。
大手商社・伊藤忠商事と提携し、不動産開発や再生エネルギー分野でも連携を強化。持続可能な社会の実現に向け、新たなビジネスへ積極的に取り組んでいる様子には、企業の成長意欲を感じます。
変わりゆく建設業界の中で、どんな挑戦を?
建設業界の話題に目を向けると、「人材不足」や「資材価格高騰」など、様々な課題も浮き彫りになっています。
細川社長は、これらを単なる経営上の困難と捉えるのではなく、「今こそ会社の体質を見直すチャンス」と考えているとのこと。
例えば、人手不足への対策として、ICT(情報通信技術)やAI・IoT導入による作業現場の効率化、女性や若手職員が安心して働ける職場づくりに力を入れています。
また、社員との「双方向の対話」にも重きを置いているそうです。
その結果、2024年には従来よりも多くの女性技術者が現場で活躍し、「育休明けで現場復帰できた」という声も聞こえてくるそうです。
功績を語る際、現場出身であるからこそ「現場中心」と「人を大切にする」この姿勢が、社員一人ひとりのやる気につながっているのだと感じます。
地域・社会とどう向き合うのか――トップとしての想い
2024年7月にRKB毎日放送のテレビ番組に出演した際には、「企業の利益追求だけでなく、地域の人たちにもきちんと応えていきたい。地元とともに未来を創っていく」と話していました。
建設業は「形あるものを作る」仕事ですが、災害時には真っ先に被災地へ赴き、復旧作業を続けることも大事な任務です。
細川社長は「現場で見てきた地元の苦労」に寄り添う姿勢を貫き、自然災害や防災に向けたインフラ構築、地域密着型のプロジェクトを大切にしているといいます。
こうした社会的責任意識の高さが、社外取締役や社外専門家からも「会社の透明性向上」「説明責任」などの面で評価されているようです。
堅実なガバナンス・多様性ある経営陣との協働
取材の中で私が特に印象に残ったのは、「透明性ある経営体制」にも注力している点です。
役員には多様なバックグラウンドの経営者・専門家・大学関係者も参画し、経営の監督や助言を受ける体制を構築。社外取締役には大手企業や大学から来た人が複数名加わり、複眼的なチェックが働くそうです。
こうした多様性のある執行役員制度も取り入れており、組織の健全性・柔軟性を保ちながらスピーディな意思決定を目指しています。
「150年の伝統」と「これからの変化」――私が感じた細川雅一の魅力
インタビュー記事やメディア出演、社内外へのメッセージなどを見て感じるのは、「柔らかさの中に芯の強さがある」リーダー像です。
事務方だけでなく現場を知り抜き、計画だけでなく実際のモノづくり、さらには新たなビジネスの立ち上げにも関わってきた。
正直、経営トップというと敷居の高い存在に思えますが、「地に足の着いた発想」「人の力を最大限に生かそうという積極的な姿勢」に親しみやすさを感じます。
また、従来型の会社を守るだけでなく、時代の空気に合わせて大胆に変わろうとしている姿勢にも好感を持ちます。
例えば、社員の働き方改革、女性や外国人など多様な人材の活躍推進、次世代技術への投資……。
トップ自らが「挑戦する文化」を作ろうと動いている企業は、これからも成長し続けるのではないかと思わせてくれます。
今後の展望――現場力と新しいビジネスの融合を目指して
「土木」や「建築」という伝統的な事業領域を軸にしつつも、都市再開発や環境事業など新しい分野へ挑む西松建設。
伊藤忠商事との提携により不動産・再生可能エネルギー分野の拡大も進み、持続的な成長に向けて着実に力を蓄えている印象を受けます。
今後も、時には困難な課題に直面する場面があると思いますが、細川社長のような現場を大事にし、人を生かし、社会の変化を前向きに受け止める経営姿勢が、社員にも地域にも大きな安心と信頼をもたらしていくのではないか。
個人的には、これからの西松建設の新しい取り組み――特に環境課題への対応や、地域連携プロジェクトなどがどのように発展していくのか、注目していきたいと感じました。
まとめ――現場主義と柔軟な発想 これからの建設会社像を映す経営者
幾多の現場経験を積み、多様な事業部門のリーダーを経て、150年企業のトップに就いた細川雅一さん。
老舗企業の伝統を大切に守りながらも、時代の要請に応え、人を生かし、社会と企業の未来を見据えた舵取り――まさに「これからの建設会社」の在り方を体現するようなリーダーだと感じます。
会社と地域社会、双方に価値を生み出す経営。
多様な人材と新しい技術が集い、変化に強い「筋肉質な会社」へ。
細川雅一さんのような現場を知る社長の存在は、これからますます重要になるのではないでしょうか。
私自身、今後の西松建設の動きにも期待しています。
※この記事は「私の経営者名鑑」の編集部へ寄せられた紹介記事です。

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